2016.12.03(Sat) @ 岩手 COUNTER ACTION MIYAKO
Open 17:00 . Start 18:00 / Guest band: GOOD4NOTHING
Info: (問)ノースロードミュージック TEL:022-256-1000 http://www.north-road.co.jp/
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Open 17:30 . Start 18:30 / Guest band: GOOD4NOTHING
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Open 17:30 . Start 18:30 / Guest band: locofrank
Info: (問)ノースロードミュージック TEL:022-256-1000 http://www.north-road.co.jp/
Open 18:00 . Start 19:00 / Guest band: 04 Limited Sazabys
Info: (問) FOB企画 TEL:025-229-5000 http://www.fobkikaku.co.jp/
※小学生以下チケット無料(要保護者同伴) ※入場時にドリンク代として別途500円が必要
受付期間 10月05日(水) 12:00~10月17日(月) 12:00
受付期間 11月01日(火) 12:00~11月07日(月) 12:00
-- 今の皆さんが「ANOTHER STARTING LINE」と発することにすごく大きな意味があるし、この歌詞もリスナーそれぞれに当てはまると同時に、お三方の歌でもあるわけですもんね。そんな楽曲が、2016年10月というタイミングに発表されることにも大きな意味があるなと。
難波 そうですね。これはみんなの歌、みんなのストーリーなんですよ。
横山 歌詞には載ってないけど、それを汲むぜってことだよね。「1人ひとりと話はできないけど、わかってるぜ。俺たちだってそうだぜ!」って。
難波 そうだね。
横山 だから、今の自分たちをよく表せた、新しいHi-STANDARDを自分たちで祝うっていう意味では一番いいなと。
-- この曲はMVも制作されますが、MV自体も『MAKING THE ROAD』のとき以来ですもんね。
横山 そうなんですよ。でも実は『MAKING THE ROAD』のときはライブ映像とかオフショットを集めてMVにしたので、ちゃんとした撮影は正確には(『ANGRY FIST』収録の)「THE SOUND OF SECRET MINDS」以来らしくて。
難波 3人で撮るのは19年ぶりだそうです(笑)。
-- 19年て(苦笑)。時空が歪みますね。
横山 歪みますよ、そりゃ。欅坂46の子とか生まれてないですからね(笑)。
-- 新曲としても、そもそも16年ぶりですものね。
横山 リリースは16年ぶりですけど、制作は17年ぶりなんですよね。16年、17年、19年とか、自分たちでも訳わかんないですよ(笑)。
難波 でも、この感じはめちゃめちゃ新しいっすよね。
-- 日本のどの再結成バンドとも違いますし、海外を見渡しても同じようなケースって見当たらないですもんね。
難波 そこなんですよ。だからこそ、これから胸張ってメッセージを伝えられるというか。いろいろ別れがあるかもしれないけど、でも大丈夫だよ、全部つながっていくんだよって思ってもらいたいですね。
-- そのシングルが10月5日(水)に発売。前日の4日(火)に店頭に並ぶことで、ようやくその事実が世に知れ渡るわけじゃないですか。このインタビューの時点では誰ひとりとして知らないわけですもんね。
横山 そう、知らないんですよね(笑)。
-- この感じもハイスタらしくて、なんだか懐かしいというか。90年代には『I DON'T NEED TROUBLE BECAUSE OF…MONEY』や『WAR IS OVER』といった7インチEPを告知なし、店頭のみで限定リリースしたことがありましたよね。当時、レコードショップに足しげく通っていた人はそれに気づいて、いち早く手に入れることができたという喜びがありましたけど、今回はそれとも趣旨が異なりますよね?
横山 そうですね。確かに情景としてはあのEPが浮かんだんですよ。あの頃はそれこそネットもなかったしWEB通販もなかった、みんな情報はお店に行って仕入れてたじゃないですか。で、見つけたら買って、そこから口コミで広まっていく。「わぁ、ハイスタがこんなことやってるよ」っていうことを楽しんでいたというか、それがプレゼントでもあったんですけど、今は時代が違うからそれが通用しないというのもわかるんですよ。僕もよくネットや通販を利用するので否定するつもりはないんですけど、ただこれだけ便利になった世の中でどこまで面白みとして発揮できるのかなというのは狙いというか。僕たちの遊び心としか言えないですね。
難波 あと、音って物質として手に取ることはできないじゃないですか。そんな中でパッケージというのは俺たちのいろんなことの結晶なんですよ。特に今回の作品は手に取ってもらいたいという思いが強いから、こういうやり方になったのかな。
横山 やっぱり俺たち、男なんだよね。俺たちには女の人の“イク”っていうのはわかんないじゃないですか。でも男の人の“イク”っていうのは、明らかに精子を出すことで理解できる。そう、つまり俺たち精子を出したかったんですよ……ん、なんだこれ(笑)。
恒岡 (笑)。
難波 つまり俺たちの精子を手に取ってもらいたかったんですよ(笑)。手に乗せてもらいたいんですよ(笑)。
横山 難ちゃんが乗っかっちゃったよ(笑)。
難波 そこはバーチャルじゃ気が済まなかったんですよね。ハイスタって特に口コミや人とのつながりを大事にしていたので、もう一回それを確認したかったというのがあったんですよ。
横山 そう、口コミ。今の世の中の口コミってどういうものなんだろうっていうのをね。
難波 もちろんネットやSNSを使うんでしょうけど、Hi-STANDARDを必要としてくれる人たちと、そこでもう一回つながりたかったんです。
-- でも最近は情報過多というか、そういった情報を得ただけで満足してしまう人も多いですよね。
難波 「ニュース見た、YouTube見たぞ」で終わっちゃうみたいな。
-- でも今回のケースだとその事前情報がないぶん、店頭で最初に知って興奮する。そこからパッケージを手に取って聴いてみようと思うんじゃないかなという気がしているんです。
難波 そう思ってくれる人がいると嬉しいな。でも「CD出たな。ハイスタか、聴いてみようかな」みたいに、もっとライトな感じでも全然いいんですけどね。しかも前回のDVDもそうでしたけど、ハイスタの新しい作品、俺たちの結晶がPIZZA OF DEATHからまたリリースされるってことは、実は本当にすごいことなんですよ。それがどういうことなのか、イメージしてほしいなと思います。
横山 僕たち、昨日スタジオで練習してたんですけど、「この結果はどうなるのかな?」って話をしていて。もちろん話題にもなりたいし、みんなが手に取ってくれたらいいなとは思うけど、負ける予想もしてますからね(笑)。
恒岡 心のケアを先にしとかないとね(笑)。
難波 まぁでも、音は届くんだよ、やっぱり。
横山 うん。だから……このインタビューを読んだ人は、ぜひ友達にも教えてあげてほしい。そこから先はもう口コミなんで。TwitterでもFacebookでも電話でもいいし。ちょっと申し訳ないのが、昔リアルタイムでHi-STANDARDのファンだった人ってもうお父さんお母さんになっていて、CDどころじゃない人、CD屋に1時間かけて行ってる暇がない人もいるんですよね。そういう人は誰かに頼んで買ってもらって、送ってもらったらどうかなと。これ、1案です。
難波 そこでまた、昔の仲間と「元気? ハイスタの新しいの、出てるぜ?」ってコミュニケーションも取れて、ストーリーがひとつ生まれるしね。
-- また新たな関係も築けるわけですね。
難波 今回のリリースを通して、いろんなことを思い出してほしいな。
横山 自分で言うのはなんですけど、これってちっちゃいバンドじゃできないんですよ。しかも今の、このタイミングにしかできないことだと思うんです。
難波 さっき健くんが言ったけど、どういう結果でもぶっちゃけいいっちゃあいいんですよ。ハイスタって最初の頃から言ってたのは、目の前に5人しかお客がいない、しかも友達しかいないという状況でもそれでいいんだ、そいつらが喜べばいいんだってこと。で、この音が、この作品が聴いた人の心の糧となって、「よし、行くぜ!」と思ってくれるのが本当にたった1人だけでもいいしし。ぶっちゃけ、喜ぶのが自分の息子だけでもいいし(笑)。でも、これが広まっていってくれるなら、それに越したことはないよね。
-- 僕は90年代のハイスタをリアルタイムで体験してない世代が、初めて触れるハイスタの新作がこのシングルだという事実が、すごくうらやましいし、めちゃめちゃ幸せだなと思うんですよ。
横山 なるほどなぁ。
難波 でもどうせなら、年代とか世代とかすら超えたいですね。同じ生きる者として「俺たち、こういう世代を生きてきたからこうなんだぜ?」というつもりも、まったくないし。そこを受け入れてくれたら嬉しいです。
横山 あとは本当に、聴く人の感性にお任せするしかないですよ。だって、僕たちを映像で見たって、薄汚い3人の田吾作だもんね(笑)。
難波 自分の感覚では「俺たち最強!」と思ってますけど、その感覚が若い子たちにとって最強じゃなかったとしたら、ギャップがあったんだなってことじゃないですか。それはそれで仕方ないけど、できることならブチかましたいな。
横山 こうやって活動している以上、絶対に誰か若い子には響いてくれるんじゃないかという希望だけは捨てたくないですね。
-- で、2016年のHi-STANDARDは12月23日の『AIR JAM 2016』に向けて、他にもいろいろ動きがあるわけですよね。12月7日にはカバーシングル発売も控えていて、さらには東北ライブハウスツアーも決定している。このツアーに歓喜する人は相当いると思いますよ。
難波 そうですよね。本数は多くないけど、今から楽しみで楽しみで。
横山 ツアーはヤバいね! ツネちゃんが「ハイスタやるんだったら、絶対に東北は行きたい」と前から言ってたしね。
恒岡 うん。ライブハウスでやりたかったんです。2011年、2012年と『AIR JAM』をやったけど、いわゆるライブハウス規模の会場ではやっていなかったので。
横山 パワストでZepp Sapporoでやらせてもらったぐらい。Zeppといったらライブハウスで一番大きいわけだからね。
難波 ハイスタが2000年まで活動していたときは、そのクラスの会場はあまりなかったし。
横山 赤坂BLITZとクラブチッタとAXと……Zeppはもうあったっけ?
恒岡 一回、生中継したよね。
横山 ……と、ちょっとした思い出話になっちゃいましたね(笑)。
恒岡 スタジオでは大体こういう話ばかりしています(笑)。
横山 これで4時間ぐらいね(笑)。
難波 とにかく、僕たちは東北のことを忘れてないですから。それをこのツアーで伝えたいです。
-- そして『AIR JAM 2016』ですが、今回は過去2回とも違ったバラエティ豊かなメンツになりましたね。以前の『AIR JAM』を踏襲するんじゃなくて、新しい、今のハイスタだからこそのラインナップな気がします。
難波 ここも今の『AIR JAM』を作るというのがテーマですね。
-- 健さんがコラムにも書いてましたけど(参考:http://www.pizzaofdeath.com/column/ken/2016/06/vol94.html)、地震とは関係なく偶然福岡を選んだんですよね。
難波 そう。これもドラマだよねぇ。
横山 すごいなと思います、このタイミングに。
難波 順番としては逆だったんですけど、でも九州に元気になってもらいたいという思いには変わりないので、届けたいですね。
恒岡 去年のライブ3本をやる前に決めたんだっけ。あれ、途中?
横山 えっと……やろうって話したのはもっと前だけど、本格的に「これ、できるんじゃない?」ってなったのは、あの3本をやってからだよね。じゃあそれまでにレコーディングして……。
恒岡 新曲を持ってやろうよと。
-- 「新曲があるハイスタのライブ」、本当に楽しみです。
難波 僕らも楽しみなので、みんな歌えるぐらい聴き込んできてほしいですね。
-- ここまで動くとなると、2017年がどうなるのかも気になるわけです。もちろん皆さんそれぞれの活動もあるので、そことうまく調整しつつということになると思いますが。
難波 そういう意味では、さらに新しくなるんじゃないですかね。この活動の仕方が今のハイスタ。20代、30代のときとはまたちょっと違う感じになると思います。
-- 逆にこのスタンスだからこそ、皆さんが楽しみながら活動できるというのもあるでしょうし。
難波 それは間違いないと思います。特に健くんはそこをすごく意識してきたじゃないですか。Ken Bandとして自分たちが継続してきた世界がHi-STANDARDが始まることでどうなるんだろうかと、すごく意識して発信してきた。でもこないだ健くんがライブで「Hi-STANDARDが自分の中で存在することが100% OKになった」と言ったっていうのを聞いて、ああ融合できたんだな、自分の中で整理がついたんだなと思ったんですよ。
横山 僕たちが2011年にまた集まり始めたとき、気持ちの中でハイスタをどこに置けばいいのかっていうのはすごく悩みました。特に僕と難ちゃんはバンドを持っていて、自分でメンバーを集めて始めたぶんの責任があるじゃないですか。そことハイスタをどう棲み分けしようかと。それぞれのバンドはもちろん一生懸命やるとして、その上にHi-STANDARDっていう別の生き物みたいなものを作れないかっていう話を難ちゃんとよくしてたんです。
難波 運命共同体ね。
横山 そう。かつてはHi-STANDARDが100%を注ぐ場所であって、ハイスタ以外にはそういうバンドはなかった。でも今はそれがKen BandだったりNAMBA69だったりして、そのスタンスを変えずにハイスタの在り方をどう捉えようかって話してたんだよね。それが5年かけてようやく実現したなっていう気がするんですよ。
難波 これからも模索するんでしょうけど、とにかく今は “ANOTHER STARTING LINE”って感じですね。
横山 間違いないです。それにしても、僕たちは今しゃべってることを、数年間しゃべれずにいたわけでね。ずっと黙ってなきゃいけなかったから、やっとこうやって吐き出せるわけですよ。
恒岡 俺は「本当に出るんだ」っていう実感が、このインタビューが始まる前より今のほうが強まりましたね。さまざまな感情が沸々と。
難波 普通はMVを作ります、雑誌でインタビューを受けますってやるわけじゃないですか。でも今回の僕たちは音が優先。それって僕たちにとって一番のプロモーションなわけですよ。「これが今の僕たちの音です」って。そこを最優先できるのってシブいなって思うよね。
横山 シブいね、パンクロックだね。事前の仕込み……まあ、情報が出ないようには仕込みましたけども(笑)、何をセットアップしてどういう露出をしてというのが一切ないですからね。このインタビューとMVを撮るだけですから(笑)。
恒岡 それこそが、今回のタイミングでしかできないことだしね。大袈裟に言ったらチャレンジなのかもしれないし。
難波 音以外のことで一切判断させないわけですからね。これが2016年のHi-STANDARDなんだなと思います。
INTERVIEW BY 西廣智一